2013年6月17日月曜日

Sense of Wonder

九州はいつもより早い梅雨のシーズン真っ最中です。
雨に濡れる新緑も美しい季節を迎えています。

6月始め、大分県の久住高原にあるくじゅう自然教室・Sense of Wonderにて
約2週間の作品展を開催させていただきました。
ここは久住高原で自然散策や登山、そして星空鑑賞を楽しむことができる
自然を愛する人たちが憩うとても素敵なロッジです。
オーナーの中山恭一さんはインドの古典楽器シタールの演奏家でもあって
とても魅惑的なインド古典音楽を聴かせてくださいます。


私の個展は今までは、比較的市街にあるギャラリーで展示することが多かったので
こんな大きな自然のなかで自分の作ったものを見てみたらどうなるのだろう、
どんな気持ちが湧いてくるのだろう、そんな想いでいそいそと準備をしました。


心優しいオーナー・中山さんの胸を借りて、作品展ができる機会をいただき、
多くのお客さまと出逢い、美しく雄大な自然と出逢って、
本当にすばらしい時間を過ごすことができました。


私の作品が「もの」というよりも、「こと」、言いかえれば
そこにあるその場の語らいや、思い、時間、現象の象徴のようだと表現された
中山さんの言葉に、ハッとしました。
そうだったんだ、とわたしがどうして作ることに魅力を感じ続けているのか
答えを見つけた気がしました。

今とその先にある希望の象徴のようなことを、形、または思い出として残せたら。。。
Artのジャンルの枠内ではなく、だれもが気を掛けていること、
仕事や家事や、世の中での人と人との関わり、すべてが
希望の中の作品のようなものであって、それが人を勇気づける宝物になっていく。。。



たくさんの方の想いをいただいた恩返しができるように、だれかの力になれるような
希望を表現できる力がほしい。もっと頑張らなくてはと久住の自然の中で思いました。
個展の余韻冷めやらず、昨夜はThe Style Council 「You Are The Best Thing」でドライブ。
大分・久住高原へ行かれる方は是非、くじゅう自然教室にお寄りになることをオススメします。
Wonderがあなたを待っていますよ。私が私に出逢えたように。
http://www.oct-net.ne.jp/~kougen/




編集部より
「しおり窯 こころのアトリエ12か月」は終了いたします。
 応援ありがとうございました。
中村志織さんの活動は、HPでご覧いただけますので
ぜひ、訪ねてみてください。
http://www.shiorigama.com/index.html

2012年12月20日木曜日

私たちへ

この冬はまとまった時間がとれそうなので、久しぶりに冬休みを満喫してみようと思っています。
けれども混雑するところには近づけない性分なので、家でごそごそしてるかな。
私にとってはそれが大切で贅沢な時間です。

縄文の時代に想いを馳せて、いろいろ本を読んでみたり、
そのころの暮らしや気持ちを想像して過ごしてみるつもりです。
なぜかとても心魅かれるのは、現代の私たちにとって
シンプルで大切なヒントが見えてくるような気がしているからでしょうか。
それにどうもその時代に私はなにかを土で作っていたような記憶があります。
(何千年も前に?!)
発掘されたものによく似た花瓶を知らずに作っていたりして
遺跡で発掘の仕事をなさっている方にまるでそっくりなものをこないだ発掘しましたなんて
言われて、なるほどと腑に落ちました。DNAでしょうか。
しかし、そうだとしたらかなり腕が落ちている気がします。
また修行しなおしです。

はじめ人間ギャートルズっていうマンガがありましたけど
あんな格好をしていたのでしょうか。いやいやそれはちょっと時代が間違ってる?


自然とともにあって、足るを知っていた古代の人々からの私たちへのメッセージに
今、気付くべきです。
シンプルな時代へ、共に生きる時代への扉が目の前に来ています。
あきらめずに私たちがんばりましょう。子供たち、未来の人のために。

Stevie Wonder 「I Just To Call To Say I Love You」 とても素敵な曲です。







2012年9月8日土曜日

海のそばで


Mon oreille est un coquillage
qui aime le bruit de le mer.     Jean Cocteau
私の耳は貝の殻
海の響きを懐かしむ


私は海のそばにいると落ち着くのでいつも時間ができると海に行きます。
夏のおわりに海や自然の中で思うのは、やっぱり私たちは大きな自然の中の
ほんの一種類の小さな生き物だということ。
風の匂いや気温を感じて、季節の日差しを肌で感じて
その時その時の思いを誰かと共有して。
そんな季節がめぐるごとに心で感じるしあわせは、なにより豊かで優しく、
人を支えてくれる気がします。


自分がこの世で子供たちに思い出として残すことができるものがあるとしたら、
そんな気持ちを一緒に感じて過ごしていくことでしょうか。

 
心を持って生まれてきた小さな生き物。人間。なんて奇跡的な存在なんだろうと思います。
今日は夏のおわりにぴったりなSandiiが歌う「真夏の果実」を聴いています。


2012年7月7日土曜日

ラブレター

今日は七夕ですね。
私の小さかった頃は、今のようにいろんな遊びや行く場所もそう多くはなかったので
かえって季節を感じることのできる素朴な催しを楽しんでいたような気がします。

七夕には、今年一年生になった子供のいるお宅へ笹飾りを届けるために
笹を一本ずつ用意して(これはお父さん方が山から採ってきてくれました)、
それぞれに飾りや短冊をつけて、出来上がったらみんなで担いで配っていました。
いわゆる子供クラブの行事です。
その任務が終わると公民館で、満足げにスイカを食べます。
その時の子供たちは、今はもう立派な40代、50代です。
七夕というと、「恋人の物語」というよりも「子供クラブ」という思い出が
大半を占める私の記憶。。。

七夕飾りを作るのは大好きです。
今から折り紙で色々作ってみましょうか。
私の大切なラブレターはピンクの折り紙に書かれています。
私の娘が多分4才くらいの頃、初めて字を覚えて書いてくれた手紙。
それと折り紙で作ったハートの形。
いつも手帳と一緒に持ち歩いています。
折り紙に書かれた文字はいつも私をなごませてくれます。
自分が守ってあげているつもりが、いつも肝心なところで守られているのかも
しれません。

今日は可愛い曲をあなたに。THE BOOM「星のラブレター」 今夜は天の川がみえるといいな。。。


2012年6月9日土曜日

雨のにおい

今日は雨の降る一日でした。もう梅雨なのかな。。。
私は窯開き(器の展示会)を先日終えて、今日はほっと一息ついています。


雨のにおいがしています。木の幹、若葉のしずくのにおい。
雨が土にしみていくにおい。楠のにおい。くちなしの花。
においは記憶を瞬間のうちに連れてきます。
もしかしたらそれは、どちらかというと切ない思い出かもしれませんね。
あなたにとって泣いてしまいそうな思い出だったとしても、
いつかは気持ちのなかで少しずつ変わってくれたら。。。
ふっと微笑むことができるような記憶に変わってくれたらと心から願っています。

形になりにくいもののほうが、私たちの心を捉えて離さない、そんな気がして
なりません。芸術も形では表しますが、それが届く心の中に生きていく時間の中で
私達を勇気づける何かが芽を出すことが素敵なんだって信じています。

私は人工的な香りが苦手なので、いつのまにか自然のそばに居ます。
風が運んでくる季節の香りや、朝の香り。こどものにおい。
夜の空気のにおい。肌のかおり。
私をしあわせにしているのはそんなかおりです。

今日の曲もすごく素敵です。Jason Mrazがうたってる「Summer Breeze」 
みなさん、どうぞ良い週末を♪











2012年5月19日土曜日

作品づくり

今日は一日中、作品づくりに励んでます。今はちょっと休憩時間です。
6月の展示会のための作品で、今回は青と白とプラチナをテーマに作っています。

作り始める前には、なかなかエンジンがかからないのですが
作業を始めるとどんどん楽しくなってきて止まらなくなってしまうなんてことも度々あります。
寝食忘れてと言いたいところですが、陶芸はけっこうお腹がすきますし、寝ないと美容にも
よくないので程々には寝ることにしています。

器にはお料理を盛り付けたり、飲み物を入れますから
色んな食卓のイメージは、常に私の脳の中のかなりの部分を占めているといえるでしょう。
器をつくるための必須条件は、食いしん坊であることです。
それと一緒に美味しく食べる人のイメージは大事ですね。
私はあれこれと妄想をふくらませながら、食卓をイメージすることも度々です。

イタリアの言葉でAmore, Cantare, Mangiare! ってありますね。
私はこの言葉が大好きです。
少し迷ったり、落ち込んだりしたらここに戻ってくることにしています。
生きるって、食べて飲んで歌って恋をしてっていうことでしょう?
そんな場面のちょっとした隅っこに私の作品が居てくれたら、そんな気持ちで作る日々。
だれかのしあわせのお役に立ちたいとささやかに思っています。

Chet Baker「There Will  Never Be Another You」 とても好きな曲です。この曲を聴いてたら
なんだか気持ちよくて、優しい恋人が隣にいてくれる気になります。妄想。。。。











2012年4月30日月曜日

有田陶器市

ゴールデンウィークが始まりましたね。
大人になってからは、ほとんどが焼き物と関係のある仕事をしていたので、その期間中は
陶器市のようなところで売り場に立っていたり、自分の作品展をしていたりで
そういえば休んだことがなかったなぁと、今年初めて気が付きました。
もちろん、そのあとに代わりの休日はとっていましたけどね。

今年は自分の作品展を6月にずらして、ゴールデンウィークを満喫していますので
とても新鮮な時間を過ごしています。
ゆっくり起きて、朝ご飯をいただいて今日は何をして過ごそうかなとのんびり考えて
珈琲を淹れたりしています。


有田陶器市には早速行ってきました。
ここは私が以前に勤めていた会社もあって、同窓会気分で
一緒に働いていた人達に会いに行くのが一番の楽しみです。
有田は町自体が、焼き物をこよなく愛しているところで
焼き物の産業に関わっている人たちや職人さんたち皆が、誇りを持って
製造に携わっています。
私はその心意気に触れたくて、時々この町を訪れたくなるのかな。

皆、変わらず素敵で嬉しかったです。
若輩者の私をたしなめてくれた上司の方も、一緒に色々企画して頑張ったデザイナーの友人も
すご腕の職人さんたちも元気そうでほんとに良かった。

私は色々と挑戦したくて、会社は辞めてしまったけれど
私の中心には有田の人たちの仕事に対する気持ちがたくさん思い出されて
本当にありがたい経験をさせていただいたことに感謝の気持ちで胸が一杯になります。
自分も頑張ってお仕事して、来年も会いに来るからねって約束して、
そしてまた沢山有田焼を買い込んで帰ってきました。
どこに収納しよう。。。ま、いっか。焼き物に埋もれてしあわせです、私。

今日はJake Shimabukuro「Hula Girl ~AcousticVersion~」を聞いています。